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山中伸弥教授のiPS細胞に関するノーベル賞級の論文を読んでみた。

Induction of Pluripotent Stem Cells from Mouse Embryonic and Adult Fibroblast Cultures by Defined Factors

IPS細胞に関する論文を読んでみました。TOEFLとは関係ありませんが、好奇心で読んでみました。
筆者の山中伸弥教授は、この論文でノーベル賞を取るのではないかと言われています。それほど画期的な論文らしい。

まずさらっと読んで、分からない専門用語を調べた。以下の語彙リストを参照。自分は工学部卒だが、細胞とかDNAの分野は全くの素人。使う専門用語が別世界。用語の理解から入らないと論文が理解できない。


山中先生たちが発見した4つの遺伝子(Oct3/4、Sox2、c-Myc、Klf4)をマウスや人間の体細胞(例えば皮膚細胞)に入れると、その細胞が分化を始める前の原始状態の細胞に戻り(初期化され)、増殖させた後、体のいろいろな器官に分化させることができるという夢のような話。iPS細胞(Induced Pluripotent Stem Cells)と呼ばれます。

今までES細胞(胚性幹細胞)(Embryonic Stem cells)、受精してまだ分化していない卵、を利用して増殖させた後、体のいろいろな器官に分化させる研究がなされてきたが、人に応用する場合は、母親から受精卵を取りだす必要があるし、受精卵なので人の命を奪うとの倫理問題もある。

iPS細胞は、皮膚や毛包などから培養できるので、倫理的問題をクリア、自分の皮膚から作るので拒絶反応も少ないと言われている。

この論文の大部分は、数ある遺伝子から、どのようにして4つの転写因子と呼ばれる遺伝子を探し出したか、また、できた細胞がES細胞と同等であることをデータで示している。

iPS細胞をどのように具体的な臓器(心筋、神経)などに分化させるかの説明はない。

一番すごいと思ったのは、すごい数のマウスを使う実験らしく、人と時間と手間がかかる実験らしい。この論文を発表した2006年以前は数名の大学院生で膨大な数のマウス実験をやったらしい。山中先生の発想が素晴らしいのは間違いないが、それを実証するため昼夜マウスと格闘された研究員、学生の方の苦労がすごいと思う。

素人の質問としては、4つの転写因子を組み込むと細胞が初期化されるという事実はあるが、どのようなメカニズムで初期化されるのか私の悪い頭では理解できなかった。

専門用語は慣れないので難しいが、複雑な計算式などは出てこないし、コンセプト自体も難解ではないのでノーベル賞級の論文としてはとっつきやすいと思う。

iPS細胞を題材とした小説、SF映画がきっと作られると思う。人類に夢と希望を与える発明。山中先生はアインシュタイン並みの有名人になるかもしれない。


築山智之先生のブログにこの論文の詳細説明があり、以下の用語集はこのブログを見ながら作りました。築山智之先生、すばらしい説明有難うございます。

用語:

binding site
knockout mice
ES-like stem cells
homozygous
heterozygous
retro virus
fibroblast 線維芽細胞せんいがさいぼう
skin punch biopsy 皮膚生検
follicle 毛包もうほう
directed differenciation 分化
neonate 新生児
Long QT syndrome QT延長症候群
HLA homozygotes ヒト白血球型抗原ホモ接合体

teratomas 奇形腫
myocardial cell 心筋細胞
中性圏
星状膠細胞, 星状細胞
oligodendrocyte オリゴデンドロサイト
cardiac myocyte 心筋細胞
lentivirus レンチウイルス

in vivo 体内
GFP positive GFP 陽性

TTF
epigenetically abnormal

feeder
refractory to differentiation
refractory anemia 難治性の
reprogramming

viscology

transcription factor 転写因子
binding site 結合部位
transcription factor binding site 転写因子結合部位
dermal 皮膚の
fibroblasts 線維芽細胞
undifferentiated embryonic stem cells 未分化胚幹細胞
stem cell 幹細胞
surface antigen 表面抗原
gene expression 遺伝子発現
epigenetic エピジェネティックな
telomerase テロメラーゼ
in vetro 体外
teratoma 奇形腫
blastocyst 胚盤胞
mouse embryonic fibroblasts (MEF)
retrovirus-mediated レトロウイールスを介在した
transfection トランスフェクション◆遺伝子・ウイルスなどの核酸を細胞に取り込んで増殖させること

線維芽細胞
transcription factor 転写因子
導入

germline transmission 生殖系列への寄与率
形質転換
初期化
iPS細胞の誘導
低い腫瘍原性
レトロウイルスベクター
ES 細胞(胚性幹細胞
遺伝子発現様式
形態
胚盤胞に導入
生殖系列の細胞に分化する
成体マウス由来細胞
ヒト成人皮膚細胞
N 末端
培養細胞での形質転換活性が低い
遺伝子導入
特性解析
多能性を示す遺伝子の発現
ES 細胞の分化誘導
胚様体
染色体の核型解析
GFP positive GFP陽性
Nanog遺伝子
GFP活性を有し緑色に光るコロニーの細胞
Nanog,Rex1,ECAT1,ESG1
免疫不全マウス
germline transmission 生殖細胞への寄与率
transformation activity 形質転換活性
GFP発現レポーター
細胞死
点変異
mutant 変異体
DNA microarray DNAマイクロアレイ
抑制的作用
regulated 遺伝子調節
embryoid body 胚様体
floating cultivation 浮遊培養
teratoma 奇形腫
Green fluorescent protein GFP
germline transmission 生殖細胞への寄与
protooncogene product プロトオンコジーン産物{さんぶつ}
transformation property
c-Myc mutants
wildtype c-Myc
functional moieties 機能部分
morphology, 形態
proliferation 増殖能
gene expression 遺伝子発現パターン
chimeras and progenies キメラと子孫
induction protocol 誘導
viral integrations
tumorigenicity 腫瘍原性{しゅよう げんせい}、発がん性
tumor suppressor gene 腫瘍抑制遺伝子
downstream targets 下流標的
Myc protooncogene family
dimerize 二量体{にりょうたい}になる
in vivo 体内で
DNA methylation DNAのメチル化、
amphotropic virus 両種性ウイルス
dispensable 無くてもよい
Subcutaneous transplantation 皮下移植
three germ layers 三胚葉
germ layers 胚葉
pluripotent 多能性
Nanog 未分化マーカー遺伝子
G418 neomycinと類似の構造を持つ抗生物質
パッケージング細胞
Klf4 STAT3の下流遺伝子
DDD(digital differential display)
Expressed Sequence Tag (EST)
beta-geo beta-galactosidaseとneomycin耐性遺伝子の融合タンパク質
ES cell like ES細胞様
テロメラーゼ テロメアを伸張させる
an assay system in which the induction of the pluripotent state could be detected as resistance to G418 G418耐性として検出できるような実験系を開発
高濃度(12mg/ml)のG418に耐性
薬剤耐性コロニー
Fbx15遺伝子座
Bisulfite genomic sequencing バイサルファイトシークエンシング
RT-PCR[分析手法)
偏平コロニーでES細胞様の形態を示さないこと
T58A変異体の代わりに、野生型のc-Mycを用いてもiPS細胞の樹立に成功
ウェスタンブロット解析 総タンパク質量を測定できる
サザンブロット解析 遺伝子挿入パターンを調べる
アルカリフォスファターゼ陽性 三胚葉全てへ分化できる
We inserted a βgeo cassette (a fusion of the β-galactosidase and neomycin resistance genes) into the mouse Fbx15 gene by homologous recombination βgeoカセットを相同組換えによってFbx15遺伝子に挿入した
ES cells homozygous for the βgeo knockin construct (Fbx15βgeo/βgeo) were resistant to extremely high concentrations of G418 (up to 12 mg/ml), whereas somatic cells derived from Fbx15βgeo/βgeo mice were sensitive to a normal concentration of G418 (0.3 mg/ml). βgeoノックインホモ(Fbx15βgeo/βgeo)のES細胞は、極端に高濃度(12mg/ml)のG418に耐性を持つが、Fbx15βgeo/βgeoマウス由来の体細胞は、通常濃度(0.3mg/ml)のG418に対して感受性を示す。
unmethylated
STO feeder cells STOフィーダー細胞

cytoplasm 細胞質
demethylated 脱メチル化

active forms 活性型
dominant-negative mutant ドミナントネガティブ変異体
assay system 実験系
homologous recombination 相同組換え
clone 細胞株
cytoplasm 細胞質
ES cell-like morphology ES細胞様の形態
doubling time 倍化時間
Reverse transcription PCR (RT-PCR) analysis
ES cell marker ES細胞マーカー
Bisulfite genomic sequencing バイサルファイトシークエンシング
promoter プロモーター
demethylated 脱メチル化
wild-type c-Myc 野生型のc-Myc
endogenous gene 内因性遺伝子
transcripts of the transgene 導入遺伝子の転写産物
transcripts of the endogenous gene 内因性遺伝子の転写産物
Chromatin immunoprecipitation analyses ChIP解析
high telomerase activity テロメラーゼが高い活性を持つ
alkaline phosphatase アルカリフォスファターゼ
global gene-expression profiles グローバルな遺伝子発現プロファイル
without G418 selection G418選抜なし
immortalized MEFs expressing K-RasV12 K-RasV12を発現する不死化MEF
Pearson correlation analysis ピアソン相関解析
upregulated more prominently 顕著に高発現している
teratoma formation テラトーマ形成
subcutaneous injection into nude mice ヌードマウスの皮下への移植
histological examination 組織学的な解析
neural tissues, cartilage, and columnar epithelium 神経組織、軟骨、円柱上皮
three germ layers 三胚葉
after 30 passages 30回の継代後
immunostaining 免疫染色
trophoblast marker 栄養外胚葉マーカー
induce pluripotency. 多能性を誘導
upregulated 高発現している遺伝子
differentiated into ectoderm and endoderm, but not mesoderm 外胚葉・内胚葉へは分化しているが、中胚葉へは分化していない
undifferentiated cells 未分化細胞
embryoid bodies 胚様体
nullipotency 多能性を持たない
was flanked with two loxP sites in the transgene loxP配列に挟まれた
blastocysts 胚盤胞
gonad 生殖巣
germ cells or somatic cells 生殖細胞か体細胞か
pups 仔マウス
chimeric mice キメラマウス
could induce pluripotent cells from adult mouse fibroblast cultures. 成体のマウス線維芽細胞からも多能性細胞を誘導できる
endogenous expression 内因性発現
endogenous genes and the transgenes 内因性遺伝子および導入遺伝子
Western blot analyses ウェスタンブロット解析
unique transgene integration pattern ユニークな導入遺伝子挿入パターン
Karyotyping analyses 核型解析
feeder cells フィーダー細胞
Finally, we found that iPS cells could not remain undifferentiated when cultured in the absence of feeder cells, even with the presence of LIF LIFの存在下であっても、フィーダー細胞なしで培養すると未分化性を維持できない
Finally, subclones of iPS cells were positive for alkaline phosphatase and could differentiate into all three germ layers in vitro (Figure S10), confirming their clonal nature. iPS細胞のサブクローンはアルカリフォスファターゼ陽性であり、三胚葉全てへ分化できることが示され、それらのクローナルな性質が確認された。

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[ 2012/10/06 19:52 ] その他 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

Andy

Author:Andy
TOEIC 990点
英検1級合格二次試験100点(優秀賞)
TOEFL iBT 119点

名前:Andy
学歴:University of Missouri at Rolla 工学部原子力工学科卒業
職業:技術系の通訳を30年以上やっています。

欧米人と仕事をすることが多く、Andyというニックネームを使っています。
日本人です。アメリカ人、ハーフではありません。
コロナ対策で、ネットで勉強会を開催しています。

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